市民講演会20100124

―― 市民講演会 ――

元気な樹育てるには

樹木医から学ぶ 土づくりから剪定まで

主催 : 野田のてんとう虫を守る会 開催案内チラシ

【第1部 講義編】

日時 : 2010年1月24日(日)午後1:00~3:15

場所 : 野田市北コミュニティセンター

資料代 : 300円

【第2部 樹木観察編】

日時 : 2010年1月24日(日)午後3:30~5:00

場所 : 北コミュニティセンター~江戸川グリーンロード(けやき)~いちょう通り~川間駅南通り(けやき)~プラタナス通り~いちょう通り~川間駅南通り~川間駅

講師:美濃又哲男さん

東京農工大学農学部農学科卒。(有)エル・エス研究室 代表取締役、NPO法人東京樹木医プロジェクト 副理事長、一般社団法人日本樹木医会 技術部会員。

土壌、芝草、樹木のコンサルティグに従事。樹木医として千代田区のさくら再生計画に参加。都内の桜守り活動の支援を続ける。

第1部 講義編

参加者数 : 54名講義内容 講義レジメ (講義レジメは、転載禁止)

    1. 樹木の育成と土壌

    2. 堆肥による土作り

    3. 都市樹木の生育環境(千代田区さくらの事例)

    4. 樹木の剪定方法

    5. 樹木の生育診断

第2部 樹木観察編

講義会場の北コミュニティセンターを出て、街路を散策しながら樹木の生育を観察しました。

北コミュニティセンター~江戸川グリーンロード(けやき通り)

会場風景 受講者

講師 : 美濃又哲男さん


(1) 散策開始

(2) 剪定部分の回復(枝の切り口のまわりが盛り上がって傷口を治している)

(3) けやき通りの おばけ欅 街路樹

いちょう通り


(4) 樹勢が落ちると木の表面にコケがつく。

(5) イチョウの木の根元に繁茂する。

(6) 強剪定されている銀杏並木を歩く。

川間駅南通り(けやき)


(7) ケヤキ並木

(8) 強剪定と小枝発生

(9) ケヤキの診断

プラタナス通り


(10) プラタナス通りのプラタナスの剪定状況

(11) プラタナスの根元の樹生診断(根元が腐り、樹木を手で押すと木が揺れる状況=倒木の危険がある)

(12) 切り株でみる樹木の状況(半分以上が空洞になり、外周の1/3が残っている)

いちょう通り


(13) いちょうの木の傷の診断

(14) 虫食いのいちょうの木の診断

(15) いちょうの木のシルエット

川間駅前

(16) 火災で火傷をした街路樹

(17) 根の傷んだ街路樹

(18) 沢山の小枝


(19) 根元にきのこ発生

(20) まとめの講話

美濃又先生からのメール

美濃又です。先日は、大変お世話になりました。

皆さん、熱心にお聞きいただき、ありがとうございます。

・ プラタナスについて

何時倒木しても不思議のない、かなり危険な状態でした。

市役所に掛け合って、早急に対策を取ってもらう必要があります。

もし必要があれば、仕事の営業をかねて、市役所に説明にお伺いしても構いませんので、何なりとご連絡頂けばと思います。

・ カネメモチの病気

また、途中で見せてもらったカネメモチの病気は、ゴマ色斑点病だと思います。

病原菌はカビの仲間(不完全菌類)です。菌は感染している葉の上で越冬し、春になって新葉が展開する時期になると、胞子が形成され、これが風雨に飛ばされて周りに拡がってゆきます。被害がひどくなると枯損することもあるようです。

対策

①人手による作業

・発病した枝葉は剪定除去し、焼却処分ないし、ゴミとして処分する。

(庭に置いておくと、それが感染源になってしまうので、残さずに処分して下さい。)

・枝、葉が過繁茂にならないように、枝を間引き、風通しをよくする。

(灌水なども葉に掛からないようにして、枝、葉の乾燥状態を保つように注意する。)

②殺菌剤の散布

・5月から6月の発生初期に殺菌剤(トップジンM水和剤)を散布する。

(散布にあたっては薬剤に使用書をよく読んで頂き、薬剤の濃度や散布回数を間違えないようにして下さい。)

以上、お礼方々、ご連絡もうしあげます。

では、今後ともよろしくお願い致します。

後日談

    • プラタナス通りの街路樹の状況について、市役所のみどりの課に報告して、倒木の恐れのある街路樹について対応を要請しました。

    • 市役所でも状況は認識しており、今年度に20本ほど切る予定にしているそうです。

    • 切った後には、ハナミズキを予算の範囲内で植える予定だそうです。(街路樹にはハナミズキが適していないという新聞記事がありました。)